COLUMN活動報告
2026.09.15 お知らせ
育成就労制度の日本語教育義務とは?A1・A2到達までのロードマップと企業の対応

この記事の3行まとめ
・育成就労制度では、外国人材が就労を始める前にA1相当(JLPT N5など)の日本語力を満たすことが必要です。
・就労後も3年でA2相当(N4相当)への到達を目指し、企業には学習機会を提供する責務があります。
・教育を怠ると育成就労計画の認定取消しにつながるおそれがあり、日本語教育は「コスト」ではなく「人材への投資」と位置づけられています。
1. 日本語教育はなぜ制度の中核に置かれているのか
育成就労制度は、外国人材が安全かつ円滑に働き、日本での生活に早く馴染めるようにすることを目的としています。そのための土台となるのが日本語能力であり、制度は入国前・入国後の講習を通じて、**A1(入門レベル)からA2(職場で基本的な報告・連絡・相談ができるレベル)**まで段階的に引き上げる設計になっています。
これまでの技能実習制度でも日本語講習は行われてきましたが、育成就労制度では到達目標と企業の役割がより明確化されます。企業が教育を提供する義務を負う点は変わらず、教育は人材の定着や特定技能への移行を見据えた重要な投資として位置づけられています。
2. 段階別の到達目標
育成就労制度における日本語能力の到達目標は、大きく3段階に分かれます。
・就労開始前:A1相当以上(JLPT N5合格、または認定日本語教育機関等によるA1相当の講習を100時間以上受講のいずれか) ・就労開始から1年以内:A1相当の試験を受験し、学習の進み具合を中間確認 ・特定技能1号への移行時:A2相当以上(JLPT N4合格やJFT-Basic合格など)
つまり、入国時にA1相当を満たしていれば終わりではなく、3年間の育成就労期間を通じてA2相当まで引き上げていくことが前提とされています。
3. 具体的な講習内容と時間数
日本語教育は、時期に応じて次のように実施されます。
・入国前講習:来日後の生活・就労に最低限必要な基礎的理解を持たせるための教育 ・入国後講習:認定日本語教育機関等によるA1・A2レベルの日本語講習を、目安として100時間以上実施 ・現場教育(OJT):実際の業務に即した実務レベルの日本語指導 ・外部講師・機関の活用:必須ではないものの、専門性を持つ講師による指導は学習効果の面で評価されやすい ・小規模企業への配慮:自社だけで教育体制を整えるのが難しい場合は、外部の日本語教育機関や監理支援機関と連携して対応することも可能
JLPTやJFT-Basicは、初学者にとって決して簡単な試験ではありません。付け焼き刃の対策では合格が難しいケースも多く、企業側が計画的に教材や学習機会を用意し、早い段階から準備を後押しすることが合格への近道になります。
4. 企業が負う責任とリスク
日本語教育は努力目標ではなく、育成就労計画に組み込まれた企業の責務です。教育を怠った場合、育成就労計画の認定が取り消されるリスクがあることも押さえておく必要があります。
一方で、日本語教育は単なる義務対応にとどまるものではありません。日本語力の向上は、実習生・育成就労者本人の職場定着や、特定技能へのスムーズな移行にも直結します。企業にとっても、指示や相談が伝わりやすくなることで現場のコミュニケーションが円滑になり、結果として受け入れの成果につながっていきます。
まとめ|日本語教育は「投資」として計画的に
育成就労制度における日本語教育は、入国前の基礎教育から、入国後100時間以上の講習、そして現場でのOJTまで、段階を踏んで外国人材の日本語力を底上げしていく仕組みです。企業には教育を提供する責務がある一方、それは人材の定着と特定技能への移行を支える投資でもあります。
当協会では入国後も日本語教育・生活指導を実施しており、受け入れ企業の皆さまが安心して育成就労者を迎えられる体制づくりをサポートしています。制度の詳細や、自社での教育体制の整え方についてご不明な点があれば、お気軽に当協会までお問い合わせください。
FAQ|よくある質問
Q. 日本語教育は必ず外部の教育機関に委託しなければなりませんか? A. 必須ではありません。自社内で対応することも可能ですが、専門性を持つ外部講師や日本語教育機関を活用すると、より高い学習効果が期待できます。小規模な企業では、監理支援機関などと連携して対応するケースもあります。
Q. 日本語力が目標に届かない場合、すぐに育成就労計画が取り消されるのですか? A. 一律に取り消されるわけではありませんが、企業側が教育機会の提供を怠っていたと判断された場合はリスクとなり得ます。学習計画を立て、教育の実施記録を残しておくことが重要です。
FAQよくある質問
Q
初めての受入れですが、どのような準備が必要ですか?
宿舎の確保や指導員の選任など、当協会の担当者がステップごとに並走して準備をサポートします。
Q
事務手続きや書類作成が大変だと聞きますが…
煩雑な技能実習機構・入国管理局への申請や定期報告書類の作成等は、当協会が補助いたしますのでご安心ください。
Q
「技能実習」と「特定技能」どちらを選べばいいですか?
即戦力を求めるなら「特定技能」、育成を前提とするなら「技能実習」など、貴社の経営戦略に合わせて最適なプランをご提案します。
Q
万が一、実習生との間でトラブルが起きたら?
24時間365日体制で専門スタッフが対応します。通訳を介した面談や、法的アドバイスも含め迅速に解決を図ります。
Q
実習生との日本語でのコミュニケーションが不安です。
母国の送出機関とも密に連絡を取りながら、入国後も継続的な学習支援を行います。また、通訳スタッフによる橋渡しを随時行います。
Q
実習生のメンタルヘルスはどのように管理していますか?
母国語が話せる相談員が定期的に面談を実施します。悩み事(ホームシックや生活の悩み)を早期にキャッチし、孤独感を感じさせない体制を整えています。
Q
日本の生活ルールやマナーの指導はしてくれますか?
ゴミの出し方、近隣住民への挨拶、交通ルール、公共機関の利用方法など、日本の習慣を網羅したオリエンテーションを実施します。
Q
申込みから配属まで、どのくらいの期間がかかりますか?
現地での募集から入国まで、一般的に6ヶ月〜8ヶ月程度を要します。特定技能で国内在住者を採用する場合は、より短期間での配属が可能です。
Q
受入れにかかる費用(コスト)の目安を教えてください。
送出し機関への支払い、管理費、渡航費用などが発生します。人数や職種により変動するため、まずは貴社のご希望をお伺いし、詳細なシミュレーションを提示いたします。
Q
高所作業や重機の操作など、現場で必要な資格取得のサポートはありますか?
はい。技能実習生が業務上必要な「特別教育」や「技能講習(高所作業車、玉掛け、足場組み立て等)」を弊社の訓練センターでご受講いただけます。
実習生や様々な方が早期に多能工として活躍できるよう全力で支援いたします。
Q
技能実習生から特定技能へ移行する際、試験は必要ですか?
技能実習2号を「良好に修了」した実習生であれば、技能試験および日本語試験が免除されます。職種が異なる場合でも、日本語試験は免除され、技能試験に合格するだけで移行可能です。当協会では、移行に必要な手続きを漏れなくサポートいたします。
Q
特定技能へ移行すると、最長で何年働いてもらえますか?
特定技能1号として通算で5年間の在留が可能です。技能実習の3~5年間と合わせると、合計8~10年間の長期雇用が実現します。さらに、「特定技能2号」に移行すれば、将来的な熟練工として、また家族を呼び寄せての定住も視野に入ります。
Q
どこの国の方が多いですか?また、国ごとの特徴はありますか?
当協会では現在、主にインドネシア、ベトナム、スリランカの3カ国からの人材を中心にご紹介しています。それぞれの国籍に魅力的な特徴があります。
インドネシア
礼儀正しく年上を敬う文化が根付いています。協調性が非常に高く、チームワークを重視する職場や、思いやりが求められる介護現場で高い評価を得ています。
ベトナム
現在、日本で最も多い国籍の一つです。勤勉で手先が器用な人材が多く、建設業や製造業で高いパフォーマンスを発揮します。学習意欲も高く、日本語習得が早い傾向があります。
スリランカ
温厚で誠実、協調性が高く周囲と良好な関係を築きます。勤勉で責任感が強く、仕事に真摯に取り組む姿勢と高い学習意欲を持ち、職場の安定と成長に貢献します。